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東京地方裁判所 平成3年(特わ)1954号 判決 1992年4月07日

本店所在地

東京都千代田区麹町五丁目七番地

株式会社

アド・オーガスト

兵庫県多紀郡篠山町野々垣

八三三番地の一

右代表者代表取締役

樋口紀男

本籍

兵庫県多紀郡篠山町野々垣一一三七番地

住居

東京都世田谷区代沢四丁目一九番一六号

会社役員

樋口徹

昭和五年一〇月一日生

右の者らに対する各法人税法違反被告事件について、当裁判所は、次のとおり判決する。

検察官 西村逸夫 出席

主文

被告人株式会社アド・オーガストを罰金二四〇〇万円に、被告人樋口徹を懲役一年にそれぞれ処する。

被告人樋口徹に対しこの裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告会社株式会社アド・オーガストは、東京都千代田区麹町五丁目七番地に本店を置き、新聞・雑誌等の広告代理業を目的とする資本金四五〇〇万円(昭和六二年九月一六日以前は、三三〇〇万円)の株式会社であり、被告人樋口徹は、同会社の代表取締役としてその業務全般を統括していたものであるが、被告人樋口は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、手数料収入を除外するなどの方法により所得を隠匿した上、昭和六二年七月一日から同六三年六月三〇日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が二億七三六一万三五三四円(別紙1の修正損益計算書参照)であったのにかかわらず、同六三年八月三一日、同都千代田区九段南一丁目一番一五号の所轄麹町税務署において、同税務署長に対し、所得金額が四五八三万一三六一円で、これに対する法人税額が一四九三万一三〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により、被告会社の右事業年度における正規の法人税額一億一〇五二万一三〇〇円と右申告税額との差額九五五九万円(別紙2の脱税額計算書参照)を免れたものである。

(証拠の標目)

一  被告人樋口の当公判廷における供述

一  被告人樋口の検察官に対する供述調書(一〇通)

一  田中みつ江(四通)、勝俣サワ子(二通。謄本)、横山基(謄本)、船山剛司(謄本)、植崎稔、萩原敏郎、滑川良和、河崎一幸、古下敬志の検察官に対する各供述調書

一  大蔵事務官作成の受取手数料調査書、雑収入調査書、受取利息調査書、支払手数料調査書、給料手当調査書、役員賞与の損金不算入額調査書、振込手数料調査書、事業税認定損調査書

一  大蔵事務官作成の領置てん末書

一  登記官作成の登記簿謄本及び閉鎖登記簿謄本

一  押収してある法人税確定申告書一袋(平成四年押第一二六号の1)

(法令の適用)

被告会社の判示所為は、法人税法一六四条一項、一五九条一項に該当するので、情状により同法一五九条二項を適用して、被告会社を罰金二四〇〇万円に処し、被告人樋口の判示所為は、法人税法一五九条一項に該当するので、所定刑中懲役刑を選択して、同被告人を懲役一年に処し、情状により刑法二五条一項を適用して、この裁判確定の日から三年間その刑の執行を猶予する。

(求刑 被告会社・三〇〇〇万円 被告人樋口・懲役一年)

よって、主文のとおり判決する。

(裁判官 松浦繁)

別紙1

修正損益計算書

<省略>

別紙2

脱税額計算書

<省略>

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